知りたくないの・・・

 石原裕次郎のCDのCMを見ていたら、20年位前に亡くなったKさんを思い出した。38年前、Kさん42歳の時、広島市内の某営業所の所長として赴任してきて、俺一人がその部下。Kさんには子供はいなくて、本妻さんの家には帰宅せずに、夕方5時過ぎには、お妾さんとの家へ。営業所の事務所のドアを開けたら、俺の部屋ってところに住んでたので、本部から「所長は?」と電話があるたび、「営業に出てます」って切って、お妾さんの家に電話して「本部から電話がありました」と取り次いでいた。その後二人はセットで広島駅北の営業所へ転勤。4年後、俺が東広島の所長になる時は、ホテルグランビアの屋上で、関係者を招いてお祝いをしてくれた。毎月5日、東広島からJRで広島駅から本店で所長会議。帰りは、Kさんのセドリックで広島駅まで送ってもらうのが通例で、うちの息子が生まれたのと同時期に、Kさんが「俺のコレ(小指)に子どもができてさぁ」と喜んでいた。福山に転勤になっても、いつも駅まで送ってくれた。毎月、子どもの成長を喜んで話していたKさん。60歳で定年を迎えた後も、スーパーバイザーとして活躍していたが、突然の事故で逝ってしまった。葬儀には、本妻さん、お互いに事情を知り合ってるだけに、無言で深々と頭を下げた。