ヒロミさんのはなし

広島市中心部の中央営業所で区域担当のころのお話し、

中国新聞の子会社の中央営業所は、流川や薬研堀など

歓楽街も販売区域の一部。当時の私の担当区域は昭和町・宝町

・富士見町・竹屋町など。

区域担当の仕事は、配達スタッフと集金スタッフのケアとフォローと

セールススタッフ案内、区域の売り上げ管理などです。

ある集金スタッフが、「このお客様は、居留守を使って出てこなくて」と

3か月分未収の領収証『〇〇博美』さんを私に託しました。

夕方4時ごろ、昭和町のワンルームマンションの一室の『〇〇博美』さんの

呼び鈴を押すと、「ハーイ!」と風呂上がりのシャンプーの香りをさせた

美人がドアを開けました。「3か月分〇〇〇円です」とすんなり集金完了。

他の数軒を回って営業所に戻って、経理担当に入金していると・・・

いきなりサングラスをかけた大男が入ってきました。

「『〇〇博美』じゃが、さっき集金に来たもんはおるか!」と大声、

みんな知らーん顔。「ははははい!」と私。その男は丁寧に名刺を見せてくれました。

『〇〇組〇✖△ 〇〇博美』。「なんでわしの女から集金するんか!」と男。

「お宅の中から出てこられたので、てっきりヒロミさまかと思いまして・・・

 届けたものは集金させていただくのが筋ですから」とキッパリと私。

「ほうかぁ、今度から、お前がうちの事務所に集金に来いよ!」と帰っていきました。

いやぁーなワキ汗をかきました。30年以上前の実話です。

それ以来、人の名前の思い込みに注意している私です。