殺生せっしょう

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懺悔します。今でこそ、家の中にハエが入っても、網戸を開けて逃がしてやるし、蜘蛛の巣を張らずにピョンピョンする蜘蛛がいたら、小瓶で捕まえて外に逃がし、配達途中にカエルを引きそうになって避けて自分がこけそうになったりするほど、殺生を避けている自分であります。しかし、その昔、自分が小さいころ、ちょっと行けば葦の生い茂る河原があって、そこには体操ガニや赤ガニなどウヨウヨいて、捕まえてはバケツに入れて、右手と左手に持ったそれぞれのカニを戦わせたり、脚を抜いたり、はてまた焚火にくべたり・・・。アリを見つけたら金づちでコンコンたたいて数百匹をつぶしたり、ヘビを見つけたら追いかけまわして石を投げつけて殺したり、蝉を捕まえては羽をもいで歩かせたり・・・殺生の限りを尽くしておりました。大人になっても、食べるわけでもないのに、釣りにはまって多くの魚を死なせました。結婚してからは、食べるため以外は死なさないようにリリースしていましたが、食べる魚は鮮度を保ち味を落とさないために血抜きをしなければならず、〆なければなりませんでした。タイなどは目の後ろのエラの上あたりを鋭利な刃物でズブリと刺さなくてはなりません。その時の、断末魔のタイの眼、あれがコワくて釣りも嫌いになりました。「仏のハマになったのか?」いやいやそんなんじゃなくて、死がコワいだけなんです。それでも今日も肉を食い刺身を食う自分・・・なんなんでしょうか?